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Step 1 あせるな―まず、がんを知ろう; 癌は慢性疾患である

臨床試験科学の進歩によって確実にがんは治るまたはコントロールできる病気になって来ています。そして、乳がんであれば10年、その他のがんでは5年を過ぎると、患者さんの健康な方との生存率は変わらなくなります。つまり、がんが完治したといえる目安になるのがこのぐらいの年月です。多くのがんで、元患者さんが長期生存できるようになりました。そういう意味で、がんは短期決戦ではなく、長く付き合う病気になりつつあります。転移したがんでも、手を変え品をかえ、がんをうまくコントロールしながら長期に闘病することができるようになっています。昔のように、がんを命がけで退治するような心構えでは、がんとの戦いはうまく行きません。心構えは大切ですが、戦争に行く心構えよりも、マラソンを走る心構えの方がいいのかもしれません。

例えば高血圧になったとします。「自分は高血圧だ」という事実は心に残るかもしれませんが、毎日「自分は高血圧だ。どうしよう。死ぬかもしれない」と心配し続ける人はほとんどいません。高血圧だって、長期にわたれば、脳卒中になったり心筋梗塞を起こす、とても怖い病気で命に関わる病気の一つであるにも関わらずです。高血圧と診断された患者さんたちも、始めはいやな気持ちがするかもしれます。しかし、生活習慣を変えて、薬をちゃんと飲んで、検査を受け、血圧がコントロールされていれば、ほぼ普通の生活が遅れることに気づき、そうちに自分が高血圧であることは、頭の片隅に追いやられます。毎日薬を飲んだり、月に2回病院に通ったりしながらも、生活を楽しんで送るようになります。生活の中心に高血圧のことをすえて暮らしている人はいません。

ところが、がんになった人は、生活の中心ががんになってしまいます。がんの治療のために毎日があり、生活の全てをがんの治療を中心に考えてしまいがちです。今やがんはけっこう長引く病気です。治療は長くなるかもしれません。だったら、慢性疾患と考えて、できるだけ普通の生活を送りながら治療が続けられるように、医療者と一緒に工夫していきましょう。普通の生活をいかに維持するが大切です。以前にも書きましたが、体の調子の悪い患者に治療をほどこすのはとても難しいのです。

がんだと言われたら、とにかく一歩引いて考える。
・ほんとにがんなのか?
・アプローチ(治療法、緩和)はいくつもあるぞ。
・これから気長に闘病するぞ。

そう考えを切り替えるのが、第一のステップ、
治療の始まりかもしれません。

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プロフィール

チームオンコロジー(上野直人)

Author:チームオンコロジー(上野直人)
米国で腫瘍内科医をしています。日本のがん患者さんと医療従事者にMDアンダーソンがんセンターにおけるチーム医療をしってもらい、よりよく「がん」という病気に取り組んでほしいと思ってこのサイトをたちげました。

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