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一歩進んで、医師の言葉に切り返しをしてみよう, 鵜呑みしない! [ステップ2 医師から必要な情報を取得する]


 自分の病気について、自覚的に記録をとりはじめると、いろいろな疑問が次々に湧くようになるはずです。疑問がわくということは、質問をしたくなる機会が増えること。ひいては、医療者とのコミュニケーションの道筋が徐々に太くなっていくことに通じます。
 自分の記録の中から、聞きたいことをみつけられるようになれば、次は、診療中の会話の中から、疑問点を見つけることができるようになるはずです。

 たとえば、熱が出て咳が出るという症状で医者にかかったとします。医師は、「まぁ、風邪ということでいいでしょうね」というような言い方をよくします。そこで、今までなら「はぁ、そうですか」で、黙って薬をもらって帰ってきていたとかもしれません。けれども、そこで会話を終わらせてしまっては、実は自分はカゼだったのか、カゼではなかったのかも釈然としません。今度医師がそいうい発言をしたときには、このように切り返してみてはどうでしょう。
「先生、風邪以外に、何かほかに考えられる病気があるのですか」
 医師の言う「風邪でいいでしょう」は、何もいい加減な診断の結果ではありません。なんらかの根拠があるのだけれども、総合したら風邪と考えられる。そこのところをはしょってしまっていて、うまく説明できていないだけなのです。
「風邪でいいでしょう」という言葉に対して、患者の方から「他に考えられる病気がありますか?」という質問で切り替えされたら、もしかしたらその医師はこう答えてくれるかもしれません。
「私はたぶん、こうこうこういう理由で普通の風邪だと思っているのですが、もしお出しした抗生物質が効かず、熱が下がらなければ、すぐにまた来てください。熱が下がらないほかの原因を考えなければなりませんからね」
 ここで患者さんは、自分の熱の原因について、医師と一緒に考えることができるようになります。もし、まる一日薬を飲んで寝ていても、よくならなかったとする。そうしたら「先生は風邪だと言ったから、もうすこし様子を見てみようか。でも気分がだんだん悪くなるから、薬が効いていないということを早めに連絡したほうがいいかもしれない」と考えることができます。

 ところが、切り返しの質問をせず、医師が「風邪でいいでしょう」と言っただけにとどまったとすれば、「あの先生はきちんと説明しないし、薬も効かない。きっとヤブだから、別の医者に行こうか」となってしまうかもしれません。
 これでは、患者の様子をきちんと見ようとしてくれている「いい医者」を、みすみす逃してしまうことになる可能性もあります。このように、たとえ説明が下手な医者であっても、患者の力で修正を加えることができるというわけです。
 さてカゼの場合は、「ああ、たぶんかぜなんだな」と深く考えずに家路につくこともできます。しかし、これががんとなると、あなたは「ああ、たぶんがんなんだな」と家に帰ることはできないでしょう。当然、事態は深刻になります。
定期検診に行ったら、突然、乳房にしこりがみつかり、肺には怪しげな影が見えると言われたとします。こんなことを言われたら、誰でも焦ってしまいますよね。また、納得して治療を始めたのに、「病気が進行しているので、治療法を変えましょう」と突然言われたらどうですか? いやな気分になりますよね。
そんなときに医師に、すぐに手術します、入院する必要があります、あるいは化学療法を変更しますと言われたら、思わず頭の中がシロくなって、何も考えずに「うん」と返事をしてしまう。よくあることです。
 でもそこで、大きく深呼吸してください。1日、1週間を焦って治療しなくてはいけない病気なんて、ほとんどないということを前のステップで説明しました。がんでも、急性白血病などごく限られたものだけです。命に関わるような重大な病気のときも、いいえ、重大な病気のときこそ、ただのカゼのとき以上に時間をかけて医師とコミュニケーションをとってください。
特にがんの場合は、最近は様々な治療を組み合わせると効果をあげる方向に進んできています。一つの治療では安心できません。ですから、焦るのは禁物です。冷静に情報を集めて判断してください。自分一人で無理なら、助けになってくれる人を見つけてください。

ステップ2のおさらいです。医師の話す内容を漏らさず聞く。話しそびれている内容まで聞く。そのために、メモを取ってください。深刻な病気のときは、許可をもらって録音させてもらいましょう。そして、家族や友人と一緒に医師の話を聞くようにしましょう。家族や友人は、精神的な支えとなり、性格に話を聞き取り、客観的な判断をしてくれます。
 医者にかかるということは、料理をすることと同じです。まな板の上のコイになって医者に料理を任せきって、ただ「きれいですね、おいしそうですね」ではダメ。自分で材料を用意して、それをどんな風に味付けし、盛り付けをするのか、そのためには何をどうすることが必要なのかを常に考えることが大切なのです。


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プロフィール

チームオンコロジー(上野直人)

Author:チームオンコロジー(上野直人)
米国で腫瘍内科医をしています。日本のがん患者さんと医療従事者にMDアンダーソンがんセンターにおけるチーム医療をしってもらい、よりよく「がん」という病気に取り組んでほしいと思ってこのサイトをたちげました。

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