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タイミングが重要 [ステップ4 質問上手になる]

さて、医療者に質問したいと思ったときに壁になるのが、「医者が忙しそう」「うるさい患者と思われたくない」という感情です。これを乗り越えて、どうコミュニケーションの端緒を開くか。これにはやはり、聞き方のコツというものがあります。

医療者が忙しいのは、残念ながら、どこの国も同じです。どんな優秀なシステムを作っても、患者さんがいる限り、医師は忙しいのではないかと思います。本当に忙しいかは別としていそがしくみえるのです。しかも、看護師も薬剤師も。

だからといって、患者が「説明してください」と言ったときに、「めちゃくちゃ忙しくて、そんなことを説明しているヒマはない、あなたも知る必要はない」などと言う医者がいたとしたら、それはもう、病院あるいは医師を変えたほうがいいでしょう。そんな態度の医療者では、医療事故にもつながりかねないし、仮に行われている治療が正しいとしても、長い目で見ればあなた自身が満足できないわけで、良くないことです。

あなたの主治医が忙しいことを理由に説明を拒んだら、いつだったら話をしてくれるのか、聞いてみてください。朝から診察券を出して待っている人が後ろに50人いて、診察室で1時間時間を取ってもらうのは、医師にとっても患者さんにとってもストレスでしょう。通常の診察時間では時間がないと感じたら、その時間に、医師が余裕を持って話ができる時間の約束をもらいましょう。

 それでも患者に求められた質問に答えようとしなかったり、無下にうるさがるような医師や病院は仮にどんなに名医といわれているような人や有名病院だとしても、同じ医療者の立場として、良くない医師、良くない病院だと私は思います。

一番大切な第一歩のは先生あるいは医療従事者といつ質問するのがいいのかを聞くべきです。

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あなた自身のストーリーが聞きたい「コミュニケーションのずれを直す」[ステップ3 情報を整理する]


 自分のカルテには、「気持ち」をえんえんと綴ってあっても困ると先日書きました。しかし、一方で、患者さんだからこそ語れる情報は、非常に大事だと私は考えています。

私はがん専門の大きな病院に勤めていますので、最初に患者さんに会うときは、たいてい前の医療機関からの紹介状なり情報提供があります。しかし、私は医師として基本的な医療情報がすべてわかっていたとしても、もう一回その患者さん自身から話を聞くようにしています。

患者さんによっては、私が病歴について聞くと、「カルテに書いてあります」という感じで繰り返すことを面倒がる方もいます。そのときは「私は、あなた自身のストーリー(物語)を聞きたいのです」と答えます。この、患者さんが病気を語る時間は、とても大切です。医療従事者は十分に時間をとる必要がありますし、患者は簡潔に語れることができないと損します。

話をよく聞くと、カルテの記載と患者さんの捕らえていることがかなり違うことがあります。中には、明らかに抗ガン剤は効いていないと記載されているのに、効いていると語る方もいます。あるいは薬の使用している理由が違う。こういう食い違いは、小さなものから大きなものまで、いろいろあるのですが、患者さんから丁寧に話を聞きことで、その原因を探ることができます。抗がん剤が効いていないということを、否定したい気持ちが強くあるのか、あるいは本当にそう信じているのか、あるいは医療関係者が説明をしていないのか。いずれが原因であるのかは、分からないことも多いのですが、「違いがある」ということに医療関係者が気付くことが良い医療への第一歩だと思います。次のステップでも書きますが、患者さんと医療者の治療の目的(ゴール)が食い違うことが、医療を受ける上で、一番不幸なことです。

治療のゴールを確認することは、普通あまり行われていません。しかし、完全な治療法が確立されていない病気の場合は、「完治する」というのがゴールにはなりえません。その場合、ほんとうは、医療者と患者さんの間で、何を目指して治療を行っていくのか、コンセンサスを得ておく必要があるのです。にもかかわらず、患者さん自身とそれまでの担当医の間で、病気や治療に関する見方がまったく違っている場合があることは、しばしばあります。

たとえばある患者さんが、転移性の乳がんあるいは大腸がんで、四回の違った化学療法を受けていたとします。医師は、使った薬の副作用の状態から薬を変える判断をしたのに、患者さんは病気が進行したから薬が変わったと思い込んでいるというような場合があります。このようなズレは、ほうっておくと重大な医療不信に繋がりかねません。

 このような場合、私は患者さんに「その件については、紹介元からはこのように聞いています」という話し方をして誤解を解くように努めます。同時に紹介元の医師にも、コミュニケーションのずれが生じていたことを、事実として率直に伝える必要があります。

 コミュニケーションのずれがあれば、それを埋めるところから新しいコミュニケーションは始まります。重大な間違いではなくても、ちょっとした感覚のずれ、互いの考え方の違いを知ることは、よい関係を作るために非常に大切なのです。コミュニケーションのずれが埋まることで、セカンドオピニオンをとりにきた患者さんが、ファーストオピニオンの医師のもとに安心して帰ることができるようになります。また、新しい医師のもとで治療を始める場合も、新しい治療への理解が十分にでき、より協力的に治療を進められることになります。しかもこれは単にセカンド・オピニオンだけでなく普段の主治医あるいはチームとのコミュニケーションにおいてコミュニケーションのずれを直すことが大切です。また、このずれが無いかを患者として振り返ることがとても大切です。

自分のカルテをつくろう! [ステップ3 情報を整理する]

 最近では、日本からアメリカまで、がんの治療を受けに来る患者さんも珍しくありません。これらの患者さんは、良い医療を受けることに非常に熱心なようですが、せっかくアメリカまではるばるお見えになるのに、ご自身ではまったく自分の病気に関する情報を持っていないことがままあります。
 日本の場合、医療機関がカルテや医療情報を提供してくれないことも未だに多く、出してほしいと言い出しにくい雰囲気もあります。しかし、患者さん自身が情報を携えてこなければ、はるばるアメリカまで来て、一から検査のしなおしということになります。これではは膨大な時間とお金の無駄になります。これがアメリカでなくて、国内で病院を変更するとしても同じことが言えます。

 一から検査ができればまだ良いほうです。実は、「どこが一なのか」、これは大変大切なことなのですが、それがわかっているのは、患者さん本人しかいません。その病気がどこから始まっていたのか。どんな治療がこれまでに行われてきたのか。どんなに世界中にコンピュータが普及していても、すべての情報が瞬間的にやり取りできるわけではありません。ひとつの病院内ですら、カルテの電子的な共有化などできていないわけですし、そのカルテも、完璧な記録であるという保障はどこにもありません。あなたの病気に関する大切な情報がカルテに書き込まれていない場合、治療にあたる医師が変わってしまったら一からの情報は伝達されないのです。その意味でも、患者自身が自分の病歴を記録することは、大きな責任なのです。

 記録には、自分のためのものと医師に伝えるためのものの二種類があります。自分のためだけのものであれば、どのような書き方でもかまいません。しかし、医師に自分の病歴を伝えるためには、短く、簡潔なものである必要があります。
 私自身がいただいて一番「嬉しいな」と思うのは、A4の用紙1ページか2ページ以内に必要な情報がまとめてあるものです。項目は事柄です。

何年何月  病名(正式な名称を書く) 診断した病院・医師名
何年何月  受けた検査の名前 その結果・数値など
何年何月  手術(術式名で) 担当医 結果
何年何月  経過 治療方針
何年何月  投与された薬の商品名・一般名・容量・期間
何年何月  薬の副作用の状態 薬の変更などがあればそれについて
現在    継続している治療・薬について
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その他、これまでにかかったほかの病気

アメリカの患者さんでも、これが上手に作れるという人はそう多くはありません。もちろん、以前のカルテがある場合は、そこにほとんどの情報があるはずですが、逆にそれでは情報量が多すぎ、全体像が見えないこともあります。
あなたが作るカルテは、きちんとした文章にしようとする必要はありません。数行程度の箇条書きで、あなた自身が自分の病歴の流れを把握できればそれで十分なのです。
逆に、10ページ以上もあるとか、現在の年齢が50歳で、今の病気は2年前からなのに、小学校5年生のときの骨折からずっとこれまで経験した病気を書き連ねてあっても、それは無駄な情報ということになります。ただ、記録を消すことを進めているのではなく、はたして小学校5年生の時の骨折が本当に役立つかふくめて、自分の記録完全版から、サマリー版があってもいいのではないでしょうか。今現在の病気の治療に意味のある情報だけを選んで伝えることが必要です。

パソコンを使ってデータを残しておくのも、いい方法です。これですと、新しく付け加えたり、何度も書き直しができます。

また、カルテには、自分の心情を盛り込むのは避けましょう。あるいは別の用紙にまとめることが良いかもしれません。精神的なことを「私はこの副作用でひどくつらくて落ち込んでしまって……」というようにめんめんと書いてこられる方もたまにおられますが、日記風の文章で長々と書かれていると、読むほうとしても非常に読みにくく困ります。医療者側としては、もちろん、患者さんの気持ちは大事だと考えます。しかし、これから治療法を考えよう、一刻も早く始めたいという場合には、パッパと瞬間的に判断しなければならないことも多いのです。ですから、1ページから2ページ、さっと目を通して全体像が把握できる量が適度な量ということになります。簡潔版と詳細版を用意する手もあります。利用する医療の必要によって、使い分けることができます。
また、自分が求めている医療について書くことも、良いことだと思います。ステップ8でお話しますが、自分の希望を伝えることは参加型医療においては、非常に重要です。これは患者の「わがまま」とは違います。
生活の質を一番に考えてほしい。
今とできるだけ同じ生活が続けたい。
少しでも、長く生きたい。
つらい治療は避けたい。
いつも具体的に説明して欲しい。
簡潔に分かり易く説明して欲しい。
など、自分にとって重要度の高いことを書いておくのは、医師とのコミュニケーションに役に立つでしょう。
 この短いカルテがあるかどうかで、その後の医師と患者のコミュニケーションは大きく変わってきます。

なんでこの薬を飲んでるのあるいは治療を受けてるの? [ステップ3 情報を整理する]

 例えばがんの薬物療法には2種類の薬が用いられます。大きく二つに分けると、腫瘍そのものをコントロールするためのものと、その副作用を予防したり軽減したりするものに分けられます。がんのコントロールを目的としたものには、がんの全快を目標にしたものから、ただ一時的な腫瘍の縮小を目指すもの、再発率を下げるためのもの、あらたにがんになるのを予防する目的のものまで様々です。

さらに第3の治療薬は、がん以外の薬です。がんを治療したければ、がん以外の病気が治療できてるか、コントロールされていることがのぞまれます。

ただ漫然と薬を受け入れないで、何のために飲んでいるのか、聞いてください。実はあなたの飲んでいる薬は、あなたが考えているのとは全く違う目的で処方されているのかもしれないのです。あなたと医師では、治療のゴールが全然違うとことにあるかもしれないのです。医師にとってまず大事なことと、あなたにとって大事なことが違うかもしれません。
そういった誤解を避けるためにも、「なぜ飲んでるのか」、あるいは「なぜ治療を受けているのか」知ることは非常に大事です。たずねても、医療者が答えられないなら、病院あるいは医師を変えてください。あなたには知る権利があります。

これらのポイントについて、きちんと説明したり、書いたりできないようであれば、 医師に確認してください。医師に話しにくければ、誰でもいいじゃないですか。しかし、ここまであげたようなことを、いっぺんにて書けるようになれと言われたら、難しくて、やる気を失ってしまう方もいるかもしれません。こういったことは、簡単な病気のときに段階を踏んで練習することで、徐々にうまくできるようになります。例えば風邪をひいたとき、あるいは一過性の頭痛が出て、痛みを止めをもらった時に試してみるのがいいでしょう。

ここでは薬について、書きましたが、それは薬でも、手術でも、代替療法でも、放射線治療でも、「なんで」ときいてください。

死の準備

申し訳ありませんが死に関してもう少し述べさせていただきます。

変なことですが、人間死ぬと「しゃべる」ことができません。当たり前ですが、この当たり前なことを生きているときはあまり、考えてないんだなと毎日感じています。

葬式の準備の時に故人の好みに合わせてあげたいと思っても、意を本当にくめているのか。それなりにくんでいるつもりかもしれないが、確認もできない。また、うーん、と思うことも多いです。つまりわからないんですね故人が何をかんがえているのか、またを何をかんがるだろうか。

自分が死んだらこうしてほしいと思うなら、本当に元気なときに話さないと何も伝わらない、また紙にでも明確に書かないと故人の遺志は生きている人たちによって都合よく変更されていく。

それも、死のプロセスなのかもしれない、この過程をとおり、故人の遺志を思い出にかわるのかもしれない。

でも、これって生きているときも同じで、つい、日常の感情あるいは生活に追われ、コミュニケーションを怠っているために本人が何を考えているのかをくみ取れてないことも多々あるのかもしれない。

Living willの大切さを強烈にかんじています。

プロフィール

チームオンコロジー(上野直人)

Author:チームオンコロジー(上野直人)
米国で腫瘍内科医をしています。日本のがん患者さんと医療従事者にMDアンダーソンがんセンターにおけるチーム医療をしってもらい、よりよく「がん」という病気に取り組んでほしいと思ってこのサイトをたちげました。

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