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バランスの取れたガン医療をめざして 2

チームオンコロジーのBBSで昨日書き込んだ内容の続きを書かせていただきます。

ガン医療における化学療法および標的療法の様々新しい組み合わせ、容量などのエビデンス(科学的根拠)は限られています。

おそらく今後とも限られるでしょう、それは何故かというと科学が進歩し続けるからだと思います。製薬メーカーは確実に新しくすりを創出し続けます。また、基礎医学も発展し続けると楽観できると思います。これはガン医療にとってはとても喜ばしいことだと思います。

でも、あまりにも治療の種類が多くなると医療の個別化が必要になります。でも今の科学は詳細な個別化に至っていません。また、医療の個別化は単に分子標的を極めるだけでなく、患者自身の真の恩恵と直結する必要があります。この患者の真の恩恵はそれぞれ個人の価値観を反映するので、最高の医療をうけるには、患者が医療に参加し満足度のおとしどころを医療従事者とみつけなることが大切です。

それだけに、医療従事者の勝手なアイデア(新しい治療)を戒める必要があります。
将来のためにも。

つまり、アイデアを推奨しても、エビデンス創出に直結する努力が必要です。つまり、アイデアが浮かんだ時点あるいは標準療法から外れ続けるならどのように今後それを学会発表と論文をつくる予定をくむのか。ただ、やって効果がなかったら発表しな。あるいはたまたま効いたら学会発表するのは安易だと思います。

何を基準にその治療を患者に選んだのか、それらはすべて前向きに予定を組まないとバイアスが多く、

アイデアは世の中にはまったく役に立たない情報です。いかにこの種の発表が学会で多いかはまたインターネットであふれているか。悲しいぐらい大きな問題です。

良いあるいはすばらしい治療のアイデアは臨床試験上で行われものです。つまり、倫理委員会を通さないと問題です。

これは多くの米国でも問題になっている点で、仮に薬が認可されることが、どのような使用をしてもいいことではないといことです。アメリカでも、限りなく根拠のない治療が行われて問題になっています。

医療従事者が何か斬新なアイデアをもって患者にアプローチする時に、単に患者一人への責任だけでなく、社会への責任、倫理を守っているかそれをふまえて、是非医療行為を行ってください。

患者は、責任をもって治療に参加するべきです、思いつきの医療、一人の人間を思っての医療は、宝くじを当てるようなものです。当たるときも多いですが、大半は当たりません。皆さんは本当に科学的根拠のある治療を受けていますか?


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医者が患者になる

医者ががんになると患者になります。とても当たり前のことなんですが。この当たり前に気づくことが出来るかは、なってみないと分からないところです。

頭の中でいくらわかってても、癌の告知の恐怖、自らの人生の設計、病気に対する疑問、etc. どんなに知識があっても、普通患者と同じことを経験します。

つまり、医師としての人間であるには変わらないのです。それだけに患者は違う角度医療従事者としてつきあう必要があるときも多いのでは無いでしょうか?

バランスの取れたガン医療をめざして

「良い治療を受けたい」。とても患者としての思いが伝わる言葉ですね。また、「良い治療とケアを与えたい」。医療従事者としてとても大切な言葉ですね。

最近の癌の医療に関しての意見二極化していることを強く感じます。一つの目の例は、標準療法が終われば、治療が「ない」という医師が存在する。二つ目の例は、標準療法以外の治療を勝手に創って、いかにもこれが患者のためと主張しこれを提供する医師。

どっちもどっちだと、思います。両者の主張をブログ、学会、などで聞いていると誰のための医療かを忘れているのではないかと思うこと多々です。

オンコロジーは他の領域に比べて、とても治療の効果と副作用のバランスを要求されます。治療とそのエビデンス(科学的根拠)は刻々と変化する。癌の医療従事者は単に、切ったり、薬をあげたり、することが仕事ではありません。一人の患者としての総合的に満足のいくことができる意味でのあらゆる面での治療とサポートを行う必要がある。そのために、多くの職種がチームを組まないと癌医療はなかなか前にすすまないです。

標準療法は治療の原則です。標準が明確でない場合は多々あります、そのときに医者のさじ加減で医療行為をおこなってといいかというと、そうではないです。そこには科学の真実をいかに治療にいかすかで、みんなと話し合ってコンセンサスを創る必要があります。その意味では、標準療法をいかに現場に「生かす」かが私たちの仕事です。

ただ、好き勝手にすることは「とんでもない」です。つまり、新しい治療を創るには臨床試験が必要です。臨床試験をおこない、その経験をふまえることにより治療の前進が出来ます。勝手にさじ加減する、また、治療をくみあわせる。はっきり言って倫理違反です。それは賞賛する患者も最悪です。

二者間のギャプを埋めるには、日本における総合的にものが見える、またエビデンスを創出できる、癌の医療従事者(リーダー)の養成が必要だと思います。欧米の癌のシステムをまねるだけでなく、いかに日本における、癌の全体像がみえる教育と研修をかんがえるべきではないでしょうか。


プロフィール

チームオンコロジー(上野直人)

Author:チームオンコロジー(上野直人)
米国で腫瘍内科医をしています。日本のがん患者さんと医療従事者にMDアンダーソンがんセンターにおけるチーム医療をしってもらい、よりよく「がん」という病気に取り組んでほしいと思ってこのサイトをたちげました。

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