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一流患者と三流患者 医者から最高の医療を引き出す心得 (朝日新書)

新書を発刊いたしました。是非一読し、アマゾンに書評を御願い致します。リンクはこちら


●今、病院では、医者から最善の医療を引き出せる患者と、
引き出せない患者という「患者格差」が起きている――

「日本の医療は、間違いなく世界トップクラス。でも、それを受けるのに必要な『患者力』は圧倒的に低い。そして、多くの日本人は損をしている」
昔と違い、治療法や薬の種類が増えすぎた現在、“お医者様"任せでは「最善の医療」を受けられなくなっている――。

●お金のあるなしは全く関係ない!
自分にあった、納得の医療を受けるために必要なたった一つのこと。
それは「患者の主体性」といくつかのノウハウ。
お金はまったく関係ありません。
本物の「患者力」を養成するために必要なノウハウを緊急伝授!

●そのまま使える実用性
病院へ行く前に必ず準備しておきたいこと、
医者との会話のしかた、具体的な質問例、そのまま使える本です。
「〇〇するだけで健康になる」
「××しなくなければ、△△になれ! 」のようなものがあふれる昨今。
がんを治す専門医でありながら、
自身もがんにかかった著者の
「本当に患者のための本を」という想いの詰まった1冊。
医者のホンネも満載!

【目次】
序章 がんの専門医ががんになってわかった、患者にとって本当に大切なこと
1章 アメリカから見える、ここが変だよ日本の医療
2章 一流患者のすすめ――ここが変だよ日本の患者
3章 一流患者になるための「心の整理術」
4章 一流患者になるための「情報整理術」
5章 一流患者になるための「治療法」
6章 一流患者になるための「試練」
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がん治療のための設計図

がん治療で最も重要な項目は何か。

それは、医師、看護師、薬剤師の質?
それともがん治療の品質?
良いチーム、設備、専門知識のレベル?
どれも重要であるが、最も重要な項目は設計図(青写真)である。

設計図は、家を構築するための基本計画。建設が開始される前に、すべての建設に使用するアイテム、場所、および建築の手順がすべて整理されている必要がある。

素晴らしい設計図を持っていると素晴らしい家が建てられる可能性が高い。また不必要な、無駄な資材を使用しなくてすむ。図面を準備するには時間がかかり、図面を実行するためには最高の建設業者(チーム)を必要とします。同様のアプローチは、癌治療にも必要とされる。

私は、がんの診断の後に手術や化学療法を性急に行う医師をみたことが多々ある。本当に急ぐ必要があるのか?設計図はあるのか?家を建てる途中で青写真を変更するのは良いアイデアではない?変更は煩雑で建築を難しくさせます。がん治療の設計図をもっているか?患者として設計図を理解しているか?

患者は、次の質問をする必要があります。

1。あなたは、設計図を準備するために優れた医療チームに出会えたか?

2。あなたは本当に設計図を理解し、図面を実行できる医療チームに出会えたか?

これらはあなたがあなたのがん治療を開始する前に尋ねる必要な2つの質問です。我々は深呼吸し、自らのがんに見合ったがんチームを見つけることをオススメします。

適切な質問をする-腫瘍医と効果的な面談をするために

患者として、あなたは医師にどんな質問でもする権利があります。その意味では、間違った質問というものはありません。
しかし質問によっては、医師とより実りある対話をすることができます。これは腫瘍医として、そして癌サバイバーとして、私自身の経験からの助言です。
質問をする前に、相手が人間であることを思い出しましょう。医師は神でも聖人でもありません。医師はプロフェッショナルであろうとしますが、感じのよい人の方が相手にしやすいものです。
自分の怒りを隠す必要はありません。しかし建設的な批判を伴わない怒りだけでは、患者と医師との関係を悪化させる結果になります。
次に、医師の時間は限られていることを理解して下さい。医師も患者が必要とするだけの時間や注意を払いたいと思っていますが、現実には一人の患者に使える時間は限られています。多くの場合、医師は最も重篤な状況にある患者のニーズを優先して、時間配分しなければなりません。
このためタイミングよく、よく考えられた質問は大きな違いを生みます。質問をする前に次のことをしてみてください。
1. 質問をするのによいタイミングか尋ねる。良いタイミングでなければ、いつならよいか聞く。医師はこうした配慮に感謝します。
2. 事前に質問事項をまとめておく。

質問する際に、コミュニケーションを良くするヒント
1. 「おっしゃることが、わかりません」 理解できない場合は、そう言ってください。わからないのに、頷くのはダメです。頷きつづけると、医師は理解しているものと思い、話し続けてしまいます。
2. 「普通の言葉で、説明していただけますか」 医師は気をつけていても、つい専門用語を使ってしまいがちです。もしわからない言葉があれば、説明を求めて下さい。逆にあまりに簡単なようであれば、より詳細な説明を求めて下さい。
3. 「私はXという風に理解しましたが、私の理解は正しいですか」 自分の理解を確認するために、聞いたことを言い直してみるのは重要です。「Xということで同意して、つぎにY、そしてZですね?」面談の最後に、こうした確認をとるのは良いことです。

コミュニケーションに役立たない質問や発言
1. 「私は死ぬんでしょうか?」 誰にもわからないことです。つい聞きたくなってしまいますが、代わりに症状や病気がどれくらいの期間続くのか、腫瘍がいつ頃小さくなるのか、いつ自宅や仕事に戻れるのかといった質問をしてみましょう。医師は普通、全般的な結果は予測できないものですが、こうしたより明確な側面については、推定できるかもしれません。
2. 「これが先生の妻、あるいは夫だったら、どうしますか?」 その医師の価値観を十分に知りつくしていない限り、あとであなたが後悔するような方向に導かれてしまう可能性があります。
3. 「臨床試験や化学療法は(絶対に)イヤです」 口に出す前に注意しましょう。医師がその断固とした言葉を覚えていて、将来的に二度と提案しないかもしれません。もし気持ちが変わったら、医師に伝えましょう。医師は患者の発言に対し、患者が思うより大きな影響を受けているものです。
4. 建設的な批判ではなく、他の医師の悪口を言う 医師はどう反応してよいかわかりませんし、結果が悪ければ自分も同じように悪く言われるのだろうかと考えてしまいます。建設的な批判は役に立つものですが、単に強い感情を示すのは有益ではありません。
5. 「聞くべきことがわかりません」あるいは質問をしない これは今起きていることに、興味がないと言っているようなものです。患者に何と言って良いかわからないと言われると、医師側もどこから手をつけて良いかわかりません。本当に質問がないなら、少なくとも状況や治療計画は十分に理解したと伝えてください。もし何を聞いてよいかわからない場合、次のような質問を考えてみて下さい。
• 治療計画の次のステップについて、書いていただけますか?
• なぜ、こうした検査をするのですか?
• なぜ、私はこの治療を受けるのですか?
• この薬の副作用は何ですか?
• この治療にはどの程度の効果が期待できますか?
• この治療で何が改善するのか、説明してください。
• なぜこの治療が、私に最適だと思われるのですか?

質問は、患者としてのあなたが治療やケアの質を上げ、不適切なケアから自分を守るために行うべき重要な手段の一つです。私は患者と医師間のコミュニケーションを非常に重要だと考えています。

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http://www.cancerit.jp/16474.html
片瀬ケイ 訳
上野直人 (医学博士 乳腺腫瘍内科) 監修
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[ステップ7 治療法を決める] マップ上(地図)であなたの位置を確認する

あなたの受けている治療、これから受けようとしている治療は、地図にたとえるなら、ちゃんと地図上に載っているといえるような道でしょうか。地図のルートからはみ出したり、すでに消されていたり、まだ載っていなかったりしないでしょうか。そこをまず、確認してほしいと思うのです。治療の方向性はまさに地図と同じです。

具体的に考えてみましょう。きちんとした手法の研究の積み重ねによって、安全と効果が確立された治療法であれば、地図上に大きく、はっきりと載っているといえる治療です。すでに他の治療のほうが効果が高いことがわかってしまっているような非常に古い治療法や、新しすぎてまだ効果のほどが確認されていない治療は、地図上では消されていたり、まだ点線で描かれているということになります。

さらには、治療法と呼ぶことさえ疑問で、地図からははみ出していたり、どの道にもつながっていないというようなものだってあります。

 では、自分の治療法が地図上にきちんと載っているかどうか、どのあたりにあるのかということは、どう確認すればよいのでしょうか。まずは、医師に尋ねてみてください。どうやってたずねればいいのでしょう。
それは、「この治療法は、エビデンス(信頼できるデーター、根拠)があるものですか?」と聞くことです。

そこで明快にYESが返ってくれば、まちがいなくその治療法は地図上にくっきりと示され、安心して目指してよいということになります。{ただ、問題は医師あるいは医療従事者にはこのエビデンスの検証の仕方を理解していない方がいるのが問題なんですね。}

多くの人がすでに通過し、無事に通り抜けられることが確認されているわけです。

エビデンスがあるかどうか、聞いてもどの程度の「確からしさ」なのかわからない。どのレベルのエビデンス(どの程度信頼できるデータ)なのか聞いても、それを自分の場合で考えてみると、どのように判断してよいかわからないという方もいらっしゃると思います。

その場合、自分の受けようとする治療が、信頼に足るものであるかどうか、もっと簡単に医師にたずねる方法があります。ステップ6を読んだ方はお分かりですね。それは、その治療が「標準治療かどうか」を単刀直入に聞くことです。標準治療こそが、王道です。地図に書かれた道の中でいちばん太くて、整備され、たくさんの車が走っている道だといえるでしょう。もちろん地図にない道を歩くことも出来ますが、失敗の可能性は高いです。

[ステップ7 治療法を決める] 治療のマップ作りをやってみよう, あなたは地図の何処にたっている。

ステップ3では、自分がどのような治療を受けているかについて、薬を調べてみることや、カルテを作ってみることを提案しました。また、ステップ6では自分の受けている治療が古くからあるものなのか、新しいものなのか、きちんとした研究の積み重ねに基づいたものなのか、それとも非常に試験的なものなのか、意味のあるものかないものか、検討してみました。

しかし、「私はこんな薬をもらって、こんな手術を受けました」だけでは、どのような治療を受けているか知っていることにはならないのです。さらに理解を深めるためには、もらっている「こんな薬」や受けた「こんな手術」が、現在の医療の中で、どのような位置づけをされているものなのか知ることが大切です。

 これは、自分がかかっている病気の全体像、ヒストリー(病気の経緯、履歴)を知るのに加えて、その上でその病気に対して医療全体の流れの中で、どんな治療が選択されてなされてきたかの全体像、いわば地図を作る作業のようなものと考えてください。地図の中で、自分の到達したい場所、つまり目的地(ゴール)について医師と話し合い、どの道をどのように通ってその目的地に着くか。それが、治療法を知るということになります。

 医療全体の流れを知り、道を知る=治療法を知るといっても、誰がいつ、どこで発見して、だれそれという医師がこんな治療法を考えついて、という細かな年表まで知れ、ということではありません。治療全体の中で、自分が今受けている、またはこれから受けようとしている治療が、どんな場所に位置づけられているのか。そのことが明確にわかればよいわけです。

 テレビや雑誌、書籍などでは「最新」と銘打った治療の話題が毎日のように取りざたされています。しかし、それらの情報の中には、専門家の目から見ると、「これはなんだろう?」と疑問に感じたり、腹立たしくなるようなものさえあります。「これを受けたらあなたは治る」「最新だから治る」というようなイメージを視聴者に植えつけてしまうような、短絡的なものが多いからです。もちろん、それらのすべての情報が間違っているわけではありません。たしかに「すばらしい」といえる情報も含まれてはいる可能性があります。

 しかし、テレビや新聞、雑誌、インターネットなどの情報をすべて鵜呑みにしてしまうことは非常に危険です。治療の全体像、地図の上にどのような形で存在するかの確認もあいまいなまま、これらの「最新」治療に突き進んでしまうと、道に迷ってしまい、目的地にたどり着けないこともあります。たどり着けたとしても、無駄な回り道をしてしまったりすることもあるでしょう。つまり、「最新」といわれる治療は、新しく発見された獣道のようなものなのです。実際、動物実験で有効性が確認されただけのようなものもあります。この新しいルートが、多くの人が歩んで行くことになる太い道になるためには、大勢の人が踏み固めたり(大規模な臨床試験、治験を行う)、大きな障害物がないか確認して舗装する(副作用を調べて、副作用があればそれを抑える手立てを考える)ようなステップが必要です。

プロフィール

チームオンコロジー(上野直人)

Author:チームオンコロジー(上野直人)
米国で腫瘍内科医をしています。日本のがん患者さんと医療従事者にMDアンダーソンがんセンターにおけるチーム医療をしってもらい、よりよく「がん」という病気に取り組んでほしいと思ってこのサイトをたちげました。

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